弟
何だろう。この冷えた12月の夜の買い物帰り。
ふと、涙が流れてくる。
息子3匹達の食材を買い求めての帰り道。
自分にはもう一人弟がいた。
僕が、5歳の時死んでしまった。
田舎のぼっとんトイレ。浮かんでた。
引き上げた子を母はアルミのたらいの中で一生懸命洗ってた。
キューピーちゃんだった。僕には人形に見えた。
なぜ、弟を守れなかったのか。
ずっと思う・・・今も。
クリスマス前の夜。母は何かを買うために
何も言わずに近所のお店に出かけたらしい。
テレビに夢中だったのか親父と爺ばば。インスタントラーメンの
スープをいじって興味津々だった自分と妹が
魔の手に捕まってしまって弟の命をうばった。
守れなかった、救えなかったという自責の念は、
ずっと持ち続けて、なんて罪が重いんだろうかって・・・
先にいった弟にあの世で会うことができれば
あの、小さい体を抱きしめてみよう。