何をみつけた?
段ボール箱から飛び出してきた、
うん十年前の何十冊のものノートたち
かわいそうなので・・・
バイト先の酒
ホカホカ弁当でバイトをはじめて
1ヶ月がたった。
仕事にも慣れ従業員とも息が合うようになった。
朝10時から夜10時まで働く。
Nさんという人がいる。
Nさんは酒が好きで、僕と同い年である。
Nさんは弁当屋の二階に住んでいて、
ちょくちょく部屋へ呼ばれて酒を飲みに行くようになった。
飲み代はおごりで「ただ酒ここにありや」という調子である。
少々ナイーブなNさんは、飲んでいるときの選曲がよろしく、
音量が少々やかましい感もあるが、それは酒の勢いで
耳も慣れてくるというもの。
中で一番、取り憑かれるように好きになった曲がある。
長渕剛の「竜二」というやつだ。
酔った頭の中で長渕節がこだまするともうだめで、
口が勝手に歌い出す。
そのうちNさんものってきて二人で大合唱となる。
「いいうただなあ・・」と僕
「いいうただろう?」とNさん
二人とも彼女がいないが、竜二という曲を肴に
今夜も乾杯をする夜なのだ。