へんなのみつけた
神よ
「神よ我を許し給え
いかなることにも耐えていかねばならぬ
この世の中に生きていけません
我が身を投じたその後には
我が魂をその天界へと導き給え
しゃべることはつきました
神のもとへ、そうして我の心の中へ・・」
男が喉にナイフを突き立てようとした。
そのとき神が現れた。
「残念だが君を天界へ受け入れることはできん」
神が言った。
「ど、どうしてですか!」
男が体をゆらつかせてわめいた。
「天界はそれほど良いところではないのだよ。目下の問題は
天界の人口増加によって起こる諸問題を解決せねばならぬことなのだ。
よって、これ以上死んだ人間を天界では受け入れることが出来んのだ。」
神は、悲しそうに男に言い聞かせた。
「それでは、私は・・」
男は不安のつのる顔つきでつぶやいた。
「もう一度下界でやり直すのです。きっと成功します。あなたなら。
神のご加護を信じなさい。」
「は、はい、も一度頑張ります。」
男は見違えった様に元気を取り戻した。
神が天界へ飛びながら言った。
「近年、人間の平均寿命が伸びたのが私の仕業とわかるものはおるまい。
そうしなければ天界はパンクしてしまう・・」