田舎の家は売れない
4年ほど前に親父がアルツハイマーによる老衰のような状態で
入院して4か月ほどで亡くなって、その後、母親が脊柱管の病気で
足がままならないことを気に病み、親父が呼んだんだろうか、
糖尿の持病もあって親父の3回忌を終えたら
2週間であっという間に死んでしまった。
残った財産がいくらあったか知らぬが、
主導権を握っていた妹の言いなりにすべてが終わってしまった。
長男の吾輩は墓と売れないかなり広い実家を押し付けられて、
固定資産税が玄孫の代まで続くと教えられ、
早いうちに手ばさねばと。空き家バンクなるものに
登録してみたが一向に音沙汰がない。
2年ほど固定資産税なるものを収めた。
一番時間のかかる市だ。
実家は、目の前に歩いて5分で
夕日の沈む海がさざ波で迎えてくれ、
後ろを振り返れば中国山脈の深緑に心を奪われる。
横に流れる江川は中国太郎と言われる一級河川だ。
住むことにはいささかの躊躇もないが
いかんせん仕事の関係と20歳を先頭の3人の子供に
縛られてしまう現実にはあがなうことができない。
しかたなくのんびり余生を過ごす場として、
女房に老後にどう?って誘いをかけるが、
「お一人でどうぞご勝手に!」だって。
女って役に立たなくなった男には冷たいね~
立つときにはうっとうしいぐらいすがりつくのに・・・